もう会社には行かない

【第3回】「ポジティブ思考」が目標を破壊する科学的理由

内向型カズアカ

私は今まで数多くの転職を繰り返してきました。40代後半で心身とも崩壊し失業を機に自分の生き方と働き方を見つめ直しました。その後、派遣社員となり、50代後半でアトピー悪化と網膜剥離の緊急手術となり強制終了。今後は、自分の価値観(自分軸)を優先して生きていくことを決意しました。

おはようございます。
淹れたての珈琲をゆっくりと口に運んで、
深呼吸しながら外に見える景色を眺めているカズアカです!

第1回目では、
「目標を紙に書けば成功する」という話が、
実は根拠のない作り話(デマ)だったことをお伝えしました。

そして第2回目では、
「目標は具体的にしろ」という教えや、
「成功した姿を強く思い描け」というイメージングが、
実は私たちの行動力を奪っていた事実を、
科学的なデータとともにお伝えしました。

ここまで読んできてくださったあなたなら、
きっとこう思っているはずです。

「じゃあ、いったい何をすればいいの?」と。

そこで第3回目となる今回は、
世界中の研究で効果が確かめられている
「科学的に正しい目標設定の手順」についてお伝えします。

目標が途中で崩れて挫折してしまう前に、
あらかじめ何を決めておけばいいのかが
ハッキリと分かりますので、
ぜひ最後まで読んでみてください。

さて、科学的に最新の目標設定の方法とは、
いったいどんなやり方か、あなたはご存じですか?

結論からお伝えします。

それは、あえて悲観的になって、
「もしこれに失敗するとしたら、何が原因だろうか?」
と、あらかじめ最悪の障害を考えることです。

「えっ、そんなネガティブ思考で目標を決めるの?」
と、あなたは驚いたかもしれません。

はい、その通りなんですよ。

世の中の自己啓発やビジネス書では、
「ポジティブ思考でワクワクしながら考えよう!」
「うまくいく未来だけを強く信じよう!」
といった言葉が、キラキラと並べられていますよね。

もちろん、前向きな気持ちを持つこと自体を
すべて否定するわけではありません。

ですが、うまくいくバラ色の未来ばかり考えていると、
途中で必ず起こる「リアルな障害」を
完全に見落としてしまうのです。

その結果どうなるか?

避けられるはずの地雷を、
真正面から堂々と踏み抜いて自爆してしまうのです。

たとえば、あなたがダイエットを決意して、
目標を立てたとしましょう。

「3か月で3〜5kgくらい、無理なく痩せられたらいいな」

このとき、科学的なアプローチではどうするか。
何から始めるか、わかりますか?

「もし、このダイエットが途中で失敗するとしたら、
いったいどんな障害が原因になるだろうか?」

そうやって、起こりそうなトラブルや誘惑を、
徹底的に悲観的になって洗い出すのです。

もちろん、障害を書き出すだけで終わってしまっては、
ただのネガティブな人になってしまいますよねw

大事なのは、ここからです。

洗い出した障害の一つ一つに対して、
「対策」もしくは「予防策」を必ずセットで決めておくのです。

具体的に考えてみましょう。
ダイエット中に起こりそうな障害には、何がありますか?

・仕事のストレスで食欲が暴走し、夜中にお菓子を食べたくなる
・友人や同僚から飲みに誘われて、断りきれなくなる
・仕事で疲れてヘトヘトになり、自炊する気力がゼロになる

こうした障害を事前に見つけておいたら、
次にその対策を「もし〜なら、〜する」という形で予約しておきます。

たとえば、
「食欲が暴走しそうになったら、プロテインや炭酸水を口にして落ち着かせる」
「飲みに誘われたときの断り文句を、最初からスマホにメモしておく」
(例:『ごめん!今ちょっと体調管理で食事制限してるから、また落ち着いたら行こう』など)

このように、先回りして対策を決めておくことで、
目の前に現れた障害をスルリと回避できるようになるのです。

「でもカズアカさん、それって本当に効果があるんですか?」
と、疑問に思うかもしれません。

はい、科学的な根拠は大いにあります。

障害をあらかじめ予測して、その対策をセットで決めておくアプローチ。
これは心理学の世界では、
「メンタルコントラスティングと実行意図」
と呼ばれています。

専門用語は少し難しいので、
名前を覚える必要はまったくありません。

ここであなたに知ってほしいのは、
中国の大学が発表した、とてつもない研究データです。

ご参考:21件の研究、15,907人ぶんを集めたメタ分析
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34054628/

この研究は、21件の研究と15,907人分ものデータを集めて検証した
「メタ分析」と呼ばれるものです。

以前もお話ししましたが、メタ分析というのは
複数の研究結果をまとめて総合的に分析する手法で、
科学の世界では最も信頼性が高い証拠とされています。

その結果、この「障害と対策をセットで決める手法」は、
目標達成に対して極めて強力なプラスの効果があることが実証されました。

さらに、運動習慣に関する別の興味深い実験もあります。

ご参考:運動を続けたい人を2つのグループに分けた実験
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18977113/

この実験では、運動を習慣にしたい人たちを2つのグループに分けました。
片方のグループには、この「障害と対策をセットにするやり方」を教え、
もう片方のグループには教えませんでした。

その結果、どうなったと思いますか?

このやり方を教わったグループは、教わらなかったグループに比べて、
なんと「およそ2倍」も長い時間、体を動かすようになったのです。

一応誤解のないようにお伝えしておくと、
2倍になったのは「目標の達成率」ではなく「体を動かした時間」です。
それでも、行動量が2倍になるというのは驚異的な差ですよね。

はっきり言って、目標設定を人に教えている講師が
この研究データを知らなかったら、完全なモグリです。

世界中の心理学の論文をまともに読んで勉強していれば、
誰もが必ずたどり着く超基本の事実だからです。

精神論や気合いばかりを語って、
この科学的手法を教えない自己啓発のセミナー講師は、
ハッキリ言って勉強不足としか言いようがありません。

では、なぜ「起こりそうな障害を洗い出し、解決策を事前に決めておくこと」が
これほどまでに強力なのでしょうか?

理由は、とてもシンプルです。

私たち人間は、想定外の障害に直面した瞬間、
頭がパニックになって「テンパってしまう」生き物だからです。

脳がパニック状態になると、冷静な判断ができなくなり、
どうしても質の低い、目先の快楽に逃げる行動をとってしまいます。

たとえば、資格の勉強をしようと考えていたとします。

夜、机に向かおうとしたら急に強い眠気に襲われた。
「うーん、眠いから明日の朝、早起きしてやろう」と思って布団に入った。
ところが翌朝、見事に二度寝して寝坊してしまった……。

これ、誰もが一度は経験したことのある「あるある」ですよねw

じゃあ、どうすればよかったのか?

冷静に考えれば、「昼間のスキマ時間にあらかじめ勉強しておく」とか、
「眠気が出る前の夕方に終わらせておく」のが正解だったはずです。

「なんだ、そんなの当たり前のことじゃないか」
と、あなたは思うかもしれません。

そうなんです。本当に当たり前のことなんです。

でも、実際に眠気という障害にぶち当たって、
頭がぼーっとテンパっている状態では、
その「当たり前の判断」が絶対にできないのです。

だからこそ、感情が動いていない平熱のときに、
あらかじめ障害を予測し、解決策や予防策を決めておく必要があります。

先にルールを決めておけば、障害が目の前に現れても、
脳のエネルギーを使わずにオートマチックに対処できるのです。

率直にお伝えすると、
「自分が失敗する原因(障害)」をじっくり考える時間は、
決して楽しいものではありません。

「うわ、こんなことで挫折するかもしれないのか……」
と、リアルな不安が湧いてきて、心理的な痛みを伴うこともあります。

でも、だからこそ価値があるのです。

事前に地雷の埋まっている場所が分かっていれば、
踏んで大怪我をする前に、そっと避けて通ることができますよね。

だったら、甘いポジティブ思考で思考停止して地雷を踏むより、
最初に痛みを引き受けて地雷を見つけておく方が、
よほど賢い選択だと私は思います。

さて、科学的な目標設定には、もう一つ欠かせない重要ポイントがあります。

それが、「目標を設定する際の時間軸(スパン)」です。

つまり、どれくらい先の未来を基準にして
目標を立てるのが脳にとってベストなのか、ということです。

次回の配信では、
「目標はどれくらいの高さで、どれくらいの期間(スパン)で立てるべきなのか?」
について、最新の科学的エビデンスをベースにお伝えします。

楽しみにしていてくださいね。

焦る必要はありません。
まずは「もし失敗するとしたら何が原因か?」を、
紙の片隅に静かに書き出してみることから始めてみてください。

あなたのペースで、大丈夫です。

それでは今日もハッピーナイスで!

私の人生を変えた商品はこちら

-もう会社には行かない